ピューリッツァー賞は、アメリカのジャーナリズムにおいて最も栄誉ある賞です。1917年以来、権力者や企業の不正を暴く報道や、人命救助につながるジャーナリズムに贈られています。ミズーリ大学のキャシー・カイリー教授は、「この賞は有名人を美化する報道ではなく、真実を追求するジャーナリズムに贈られる」と述べています。
まさに本日トランプ前大統領が銃撃されました。
そしてこの一枚の写真に全世界が注目、『映画の一幕みたいな一枚』『ピューリッツァー賞など総ナメ』などの声が飛びかっています。
www.nikkei.comピューリッツァー賞は新聞王ジョセフ・ピューリッツァーの遺言により創設され、コロンビア大学ジャーナリズム大学院が運営しています。当初はジャーナリズム関連が2部門、文学・演劇・音楽関連が2部門でしたが、現在はジャーナリズム関連で15部門に拡大しています。
昨年12月から、個人や出版社は自信作をウェブサイトに投稿し、参加費は1作品75ドル、締め切りは1月25日です。2月には84人の審査員が作品を審査し、地域や人種、性別の多様性を考慮して選ばれます。審査員は1100作品を評価し、各部門の上位3作品に投票します。4月には19人のピューリッツァー賞理事会が受賞者を選出し、コロンビア大学で発表されます。
受賞者の多くは大手出版社ですが、小規模な地方報道機関も評価されます。2020年にはニューヨーク・タイムズが3部門で受賞し、アンカレジ・デイリー・ニュースが公共部門で金メダルを受賞しました。
1986年には、メアリー・パット・フラハティと旧ピッツバーグ・プレスの記者が臓器移植の不正を暴く報道で受賞し、臓器提供の透明性が向上しました。メアリーは現在ワシントン・ポスト紙の編集者です。
ピューリッツァー賞は報道と表現の自由を体現しており、アメリカ人がジャーナリズムを大切にしていることを示しています。
日本人では、長尾靖、沢田教一、酒井淑夫の3名が写真部門で受賞しています。長尾は1961年に「浅沼社会党委員長の暗殺」で、沢田は1966年に「安全への逃避」で、酒井は1968年に「静かな雨、静かな時」で受賞しました。