カージナルスで活躍するラーズ・ヌートバーが、WBC日本代表として再び“侍”のユニフォームに袖を通すことを目指している。2023年大会の余韻を胸に、怪我対策・成績向上に取り組む日々。彼が語った出場への想い、日本との絆、そして挑戦の背景に迫る。
ヌートバーが語る
再び侍へWBC再出場
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2023年、WBCで日本代表入りを果たし、初の日系人選手として世界一に貢献したラーズ・ヌートバー選手。その彼が、再び「侍ジャパンの一員」としてWBCの舞台に戻ることを強く望んでいる。出場が確定しているわけではない。それでも、今季のプレーに懸ける背景には、“あの瞬間”への想いがあるという。淡々と語る姿にこそ、真剣な覚悟がにじんでいた。
なぜヌートバーは再びWBC出場を目指すのか?
前回大会が彼に残したものとは?
ヌートバーは2023年のWBCにおいて、日系人として初の代表入りを果たした。打撃・守備だけでなく、試合中の“ペッパーミル・パフォーマンス”でも話題となり、日本中に親しまれた。
本人は「前回は本当に特別な時間だった」と語り、出場の喜びだけでなく、チームメイトやファンとの関係、異文化のなかで感じた一体感を深く記憶しているという。
✅【怪我と準備】
ヌートバーは2023年〜2024年にかけて、左手親指の痛み、下腹部の打撲、腰痛、肋骨の骨折など度重なる故障に悩まされた。
それを受け、今季はトレーナー2名体制を導入し、ウエイトトレーニングを増やしつつも、交代浴などのリカバリー技術にも重点を置いた。「避けられない怪我はあるが、やれることはすべてやった」と語る彼の言葉には、昨季までの悔しさがにじんでいる。
比較項目 | 2023年大会 | 2026年を見据えた今季 |
---|---|---|
出場形式 | 初選出、日系初の代表 | 経験者としての貢献と役割期待 |
体調管理 | 怪我による欠場が複数回 | トレーナー増員とプログラム刷新 |
精神的軸 | 興奮と感動の初体験 | 覚悟と使命感を持った再挑戦 |
代表入りに必要な条件と現在の評価は?
今季の成績は選考にどう影響するか?
ヌートバーは今季、MLB・カージナルスの1番打者として定着。
出塁率.405はナ・リーグで5位、四球数は23でリーグ3位タイ。
長打力では突出しないが、チームを機能させる出塁型リードオフとして、監督の信頼を得ている。
選考基準として「直近2シーズンの安定」「ケガの少なさ」「柔軟な起用対応力」が重視されるとされ、ヌートバーはすでにその要件を満たしつつある。
外野のライバルたちとの比較は?
2026年WBCに向けては、鈴木誠也(カブス)、近藤健介(ソフトバンク)ら国内外の強打者が候補として並ぶ。
ただし、センターを守れる選手は限られており、守備・走塁も含めた総合力で見ると、ヌートバーの柔軟性は強みになる。
彼自身は「打順やポジションにはこだわりはない。任されたところで全力を出す」と語っている。
ヌートバーのWBC再選出までの流れ
開幕前:トレーナー体制強化/体調万全で臨む
前半戦:1番定着/出塁率上昇・安定出場
後半戦:ケガなく出場を継続/成績維持
秋口:代表候補に再リストアップ
来春:正式招集 → 出場決定へ
ヌートバーが語る「日本」と「つながり」の意味とは?
大谷翔平との再会、井端監督との出会い
「また一緒にプレーできるなら、それが一番嬉しい」
これは、大谷翔平との“再合流”について語った言葉だ。彼は2023年大会を通じて、日本代表の空気感を「家族のよう」と表現していた。
井端監督とも2024年にシカゴで対面済。鈴木誠也や今永昇太と共に顔を合わせたエピソードもあり、チームとの関係性はすでに築かれつつある。
✅【母との関係と原点】
ヌートバーの母・久美子さんは埼玉県出身。今季開幕週にはセントルイスを訪れ、息子の活躍を応援していたという。
「元気にしてるよ。いつも支えてくれている」と彼は微笑んだ。
ミドルネーム“タツジ”は、母方の祖父・榎田達治氏の名前。日本では“たっちゃん”の愛称で親しまれ、それが本人にとっても気に入っているあだ名だという。
見出し | 要点 |
---|---|
▶ 成績で示す信頼 | 出塁率リーグ上位、1番打者として定着 |
▶ 選考条件を満たす | 健康維持/ポジション適応/実績 |
▶ チームとの絆 | 井端監督や大谷との交流も継続中 |
▶ 家族の存在 | 日本にルーツを持ち、支えられてきた原点を忘れない |
## 私たちはヌートバーの挑戦をどう受け止めるべきか?
ヌートバーの再挑戦は、スポーツという枠を越えた「ルーツとの対話」に見える。
生まれ育ちはアメリカ、しかし“心の一部”は日本に根ざしている。
その混血性や越境性を、彼は競技のなかで体現している。
だが、この物語は彼ひとりのためではない。
「自分は何者なのか」「どこに属しているのか」を見つめ直すきっかけを、私たちにも与えてくれる。
──私たちは、他者の物語にどこまで心を重ねられるのだろうか?
✅ FAQ
Q1. ヌートバーは2026年WBCに確定で出場するの?
→ まだ確定ではありません。あくまで本人が希望を語っており、選考条件を満たす努力を続けている段階です。
Q2. 過去にどんな怪我があったの?
→ 2023〜2024年にかけて、左手親指の負傷や肋骨の骨折など。現在は新しいトレーニング体制で対策しています。
Q3. どんな成績が代表入りに影響するの?
→ 出塁率やケガの少なさ、守備位置の適応力など。成績だけでなく“使いやすさ”もポイントになります。