韓国大統領選に向けた情勢が揺れる。共に民主党の李在明氏が無罪破棄の判決を受け、再び司法の渦中に。予備選で圧勝した直後の出来事に党側は「司法の選挙介入」と抗議。5件の刑事裁判を抱える李氏は依然立候補可能だが、選挙戦の主軸に「信頼」が浮上し、有権者の判断が鍵を握る展開に――。
李在明氏
無罪破棄
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2025年5月1日、韓国最高裁は、最大野党「共に民主党」の大統領候補である李在明氏に対する公職選挙法違反事件において、ソウル高裁の無罪判決を破棄し、審理を差し戻す決定を下した。李氏は予備選で89.77%という圧倒的得票率を得て公認候補となっていたが、最高裁の異例の迅速な決定により、選挙戦に思わぬ逆風が吹き始めている。
項目 | 内容 |
---|---|
判決日 | 2025年5月1日(最高裁) |
罪状 | 公職選挙法違反(虚偽事実の公表) |
判決内容 | 高裁の無罪判決を破棄し、再審理を命じる |
有罪時の影響 | 確定すれば被選挙権停止(100万ウォン以上の罰金時) |
何が争点となったのか?
李氏の発言は「虚偽事実」に当たるのか?
李氏は、2022年の大統領選挙期間中、自らの城南市長時代の都市開発に関し、「関与していない」と発言。しかし検察はこれを虚偽とみなし、公職選挙法違反で起訴した。
1審は有罪(懲役1年・執行猶予2年)だったが、2025年3月の高裁判決では無罪に転じた。これに対し、最高裁は「法理の誤解がある」として破棄し、再び高裁での審理が行われる。
📝 司法リスクの明確化
李在明氏を取り巻く「5つの刑事事件」
李氏は現在、この事件を含めて5件の刑事裁判を抱えている。都市開発事業に関する収賄疑惑や、政党資金不正使用などが対象となっており、これらの審理の進展も選挙戦に影を落とす。
これらの判決が今後確定すれば、選挙後の政局にも影響を与える可能性がある。
📋 最高裁判断の位置付け
判決段階 | 内容 |
---|---|
一審 | 有罪:懲役1年、執行猶予2年(2024年11月) |
二審 | 無罪(2025年3月) |
最高裁 | 無罪破棄、高裁に差し戻し(2025年5月1日) |
大統領選への影響は?
中道票と共に民主党内の空気変化
李氏は2025年4月27日、予備選で89.77%という高得票で大統領候補に選出された。尹錫悦政権の「非常戒厳」発言をめぐり、「内乱の克服」を掲げて選挙戦をリードしていた。
しかし、今回の最高裁判断により「司法リスク」が再び可視化され、中道層や浮動票の支持が動揺する可能性がある。党内からは「司法の不当な選挙介入だ」との声も上がっている。
📝 判決の速さと政党反応
韓国最高裁は、異例ともいえる“上告からわずか約1カ月”で判断を下した。これに対し共に民主党の報道官は「司法が選挙に介入している」と強く反発しており、政治と司法の緊張関係が再び表面化している。
🔄 事件の流れ
見出し | 要点 |
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H2①:何が争点となったのか? | 虚偽発言と判断され、高裁での無罪が最高裁に破棄された |
H2②:選挙戦への影響 | 圧倒的支持率から一転、司法リスクで中道層の支持に陰り |
有権者は今、候補者の主張よりも「信頼」に注目している。司法判断と選挙民意の交差点にある今回の構図は、単なる法的争点を超え、民主主義そのものの成熟度が試される局面となっている。
裁判所が選んだ言葉は、候補者の未来を変える力を持っていた。
この国の選挙が、単なる人気投票ではなく、「何を許し、何を問うか」を決める場になるならば──
それは、民主主義が成熟したという証なのかもしれない。
❓ FAQ
Q1:李氏は選挙に出られる?
→ はい。再審理中であり、有罪が確定しない限り出馬資格は維持される。
Q2:刑事裁判は他にもあるの?
→ はい。現在、李氏は5件の裁判を抱えており、いずれも進行中。
Q3:判決のスピードは異例?
→ はい。上告から約1カ月での決定は極めて速く、政党側は「司法介入」と批判している。