5月18日、巨人2軍のオイシックス戦に登板した田中将大が、3回1失点・3奪三振・最速148キロの内容で実戦復帰。フォームをセットポジションに変更し「右のインサイドにミスが多い」と課題を語った。失点の原因も内角球の甘さにあり、改善途上であることを明かした一方、小林誠司との連携など明るい材料も。1軍復帰はいつになるのか?
田中将大
148キロも失点
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巨人の田中将大投手が、ついに2軍の実戦マウンドへと戻ってきた。5月18日に行われたイースタン・リーグのオイシックス戦(スリーボンドスタジアム八王子)で先発登板し、3回を4安打1失点、3奪三振とまずまずの内容を披露。フォームをセットポジションに変え、MAX148キロを記録するなど“再出発”の手応えを語った一方で、内角制球の課題も口にした。この登板が田中将大の再浮上への足がかりとなるのか、注目が集まっている。
田中将大はなぜ話題になった?
どこでどんなピッチングをしたのか?
5月18日、スリーボンドスタジアム八王子で行われたイースタン・リーグの巨人対オイシックス戦において、田中将大が約17日ぶりに実戦登板した。先発としてマウンドに上がった田中は3回を投げて4安打1失点、3奪三振という内容で、調整登板としては一定の成果を見せた。
かつて楽天やヤンキースで圧倒的な存在感を放った田中は、今季から巨人に加入し再起を図っている。球場表示では最速148キロを記録しており、セットポジションでの投球練習の成果が表れつつあることを示した。
何が注目されたのか?
試合後、田中は「一つ一つのボールに手応えはあったが、右のインサイドにまだミスが多い」とコメント。捕手の小林誠司との間でも「よくなっていますよ」とのやりとりがあったと明かしており、実戦での改善点と可能性を冷静に分析していた。
加えて、注目されたのは投球フォームの変更だ。これまでのノーワインドアップではなく、今回は全投球をセットポジションで行った。本人によれば、フォームの変更は制球力とタイミング調整の一環であり、練習を重ねてきた結果を試合で試した形となる。
具体的な試合経過とプレー
初回、先頭の陽岱鋼を空振り三振で仕留める上々の立ち上がり。しかし、失策と連打で2死満塁のピンチを招いたが、右翼・佐々木の好守備で右飛に打ち取った。2回は圧巻の2者連続三振を含む三者凡退。だが3回、再び先頭の陽に左翼フェンス直撃の二塁打を浴び、1死から適時打を許し、1点を失った。
いずれも内角を狙ったボールが甘く入ってしまった結果であり、田中自身が繰り返し課題として挙げている「内角制球の甘さ」が失点に直結してしまった。とはいえ、全体としては前回の登板(3回3失点)より内容は改善されている。
🔧進化の兆しと再起の構造
田中が今回セットポジションにこだわった背景には、これまでの投球におけるリズムのばらつきと制球ミスへの反省があったという。ノーワインドアップよりも間を取りやすく、フォームの安定性を高めやすいため、試合でも積極的に採用した。
小林誠司とのバッテリー再編も注目点である。楽天時代は嶋基宏との強い信頼関係が光っていたが、今後は小林とのコミュニケーション力が1軍復帰への鍵を握ると見られる。
フォーム変更は制球改善の実験として実施
小林捕手との信頼構築が今後のテーマ
投球リズムとタイミングの再調整に注力
項目 | 楽天時代/巨人での登板(今回) |
---|---|
投球フォーム | ノーワインドアップ主体 → セットポジション採用 |
捕手 | 嶋基宏→ 小林誠司 |
最速球速 | 145〜147キロ程度 → 148キロ(今回) |
内角制球 | 得意パターンの1つ → 課題として自認 |
復帰戦で見せた光と影とは?
フォームと球威は改善されたか?
田中がフォームをノーワインドアップからセットポジションに切り替えたのは、制球安定のためだった。特に内角への制球に対する自覚と課題意識が強く、本人も「右のインサイドにまだミスが多い」と語っている。3回の失点も、内角狙いのボールが甘く入り痛打されたものだった。
一方で、球場表示では148キロを記録し、2回には2者連続三振を奪うなど、球威の回復は感じられた。田中本人も「ボール自体の感触は悪くない」と振り返っており、力感あるボールは確かに戻ってきている。
制球と内角球の課題は?
失点の場面では、狙ったところに投げ切れなかった悔しさが見える。先頭打者の陽岱鋼に対し甘い内角球を投じ、左翼フェンス直撃の二塁打。その後も似たようなボールが中前適時打となった。田中は「もう一段階、練習しないといけない」と冷静に自己分析する。
特に気になるのは、これらの失点が「狙って投げたつもりのボール」でありながら、結果的に甘くなってしまった点。これはフォームや体の使い方、投球リズムなど総合的な要因が絡んでいると考えられる。
✏️フォーム変更の裏にある焦りと期待
田中は今季、楽天から巨人へ移籍し、心機一転のシーズンを迎えた。しかし、開幕からの数試合では精彩を欠き、出場選手登録を外れる形となった。今回のセットポジション採用は、単なる技術的な工夫ではなく、現状打破への“再構築”とも言える試みだ。
それでも球威を一定水準に戻していることや、本人の口ぶりに焦りよりも「修正の道筋」が感じられた点は、ポジティブな要素と捉えられる。復帰戦とはいえ、今後の「戦う準備」は確実に進んでいる。
フォーム変更は結果よりも“覚悟”の表れ
技術的再構築と精神的リスタートが重なる
自己評価は冷静だが、前向きな変化が見える
🔁復帰までの経緯
① 登録抹消(前回3回3失点)
↓
② 2軍調整開始(G球場で調整)
↓
③ 5月10日:シート打撃登板(丸・小林相手)
↓
④ 5月17日:先発予定→雨天中止
↓
⑤ 5月18日:3回1失点、MAX148キロで実戦登板
今回の登板は単なる“調整登板”ではない。田中本人が語ったように「課題はあるが前進している」という姿勢は、再起を期すベテランの“現実との向き合い”を感じさせた。数字以上に、この“感触”に注目する必要がある。
田中将大の未来はどうなるのか?
1軍復帰への見通しは?
現段階で田中が1軍復帰を果たす時期は未定であり、「期限を設けず調整中」という扱いとなっている。球団側は無理をさせず、田中のペースで仕上げを待つ構えだ。
注目されるのは、今後の登板予定とその内容次第ではあるが、150キロ前後の球速と内角制球の安定が確認されれば、6月以降の1軍戦復帰も見えてくるだろう。
ファンや球団の期待と温度差
SNS上では「田中を早く1軍で見たい」という声が多く上がる一方で、「成績が伴わなければ意味がない」との現実的な声も目立つ。球団としても、19年目のベテランに“救世主”としての役割を求めるのではなく、リリーフ・ビハインド登板など柔軟な活用を模索しているとみられる。
一方で田中自身は、メジャー・NPB通算200勝にあと2勝と迫っており、「最後の到達点」としてそこに向けて調整を続ける可能性も高い。
📝田中将大の矛盾――勝者の苦悩はいつ終わるのか
かつて“絶対的エース”と呼ばれた男が、なぜ今、2軍のマウンドにいるのか。
復帰戦の姿から見えてきたのは「技術の衰え」ではなく、「期待の重さ」だった。
自己と向き合うその視線に、敗北感はなかった。
ただ淡々と、自らの課題と成長のわずかな兆しを言葉にする姿は、誰よりも勝者に近い者の孤独を思わせる。
もう一度、輝きを取り戻せるのか? それとも静かに幕を下ろすのか?
その答えは、彼自身の手に委ねられている。
❓FAQ:疑問に答える
Q1. なぜ田中将大は2軍にいるの?
A1. 開幕からの成績が安定せず、前回登板で3回3失点だったため、調整を目的に登録抹消されました。
Q2. 今回の登板は成功?
A2. 課題は残るが、球速やフォームの安定感は改善傾向にあり、収穫はあったと本人も評価。
Q3. 右のインサイドってどういう意味?
A3. 右打者の内角(体の近く)を攻めるコースのことで、ここを正確に投げられるかが投手の腕の見せ所です。
Q4. 今後の登板予定は?
A4. 雨天でスライド登板になったため、次の先発予定は未定。状況を見て調整が続けられる見込みです。
Q5. 200勝にはあと何勝?
A5. 日米通算で198勝。あと2勝で大台に到達します。
✅ 見出し | ▶ 要点(1文) |
---|---|
登板結果 | 巨人2軍戦で3回1失点・MAX148キロを記録 |
フォーム変更 | セットポジションを実戦で導入し手応えあり |
課題と反省 | 内角制球に課題が残り、失点に直結した |
今後の展望 | 1軍復帰は未定だが、調整は前進中 |
👉 あなたは、田中将大の復活をどう見ますか?
今後の調整登板を追いながら、彼が再び1軍マウンドに戻るその瞬間を見逃さないでください。