家族との関係はどう変わっていったのか？

母娘の距離感と“名字を変えなかった理由”

夫との離婚後も、三浦さんは「三浦」の姓を変えなかった。それは、自らの強い意思というより、中学生の娘の一言によるものだった。

娘の意思と「安心感」の優先

「学校で名字が変わるのが嫌だ」と告げた娘。その言葉に、迷いなく「変えない」と答えた母。
離婚が親の事情であっても、子どもには“変わらない日常”を残したい──その姿勢が見える。

大人の都合ではなく“子どもの視点”を起点に

彼女は語る。「私は自分の姓に特にこだわりがなかったので、迷いはなかった。それだけです」
その淡々とした言葉には、親としての柔らかい強さが滲んでいた。

妹・家族との再接続／親子旅で見つけた感情

離婚後、シチリアへ娘と旅し、妹夫婦とも出かけるようになったという三浦さん。以前は難しかったことが、今では自然にできるようになった。

シチリア旅行と“自由”の実感

「旅をしていて、“ああ、私は自由なんだな”って、ふと思ったんです」
それは単なるスケジュール上の自由ではない。人間関係の構造が変わったことで得られた、“生き方”の自由だった。

ホームパーティーに見る「再接続」の象徴

親元から離れたがっていた若い頃とは異なり、いまでは家族と過ごす時間を「穏やかでかけがえのない」と表現する。
それは、傷つきながらも育て直された人間関係の証だ。

旅がくれた感情の余白

娘と並んで歩くシチリアの路地、妹たちと過ごすささやかな食事──。
こうした時間は、三浦さんにとって“再出発後の心の土壌”となった。

「他者と過ごす時間の質が変わった」と彼女は語る。
それは“他者に縛られない”という意味ではなく、“他者との境界線を自分で引ける”という感覚。

• 非日常の旅が「今」を意識させた

• 自由とは「距離」と「境界線の自律」だった

• 家族との再接続は、強さよりも柔らかさで築かれた

次章では、テレビという場を離れて見つけた“発言の自由”に迫ります。

“発信者”として見つけた自由とは？

テレビからYouTubeへ、“自分の言葉”を取り戻すまで

テレビでは“短く・わかりやすく”を求められ、話しすぎれば注意される。そんな環境に、三浦さんは徐々に違和感を募らせていた。

切り取られる言葉と“文脈を失う苦しみ”

ネットニュースで文脈を離れた言葉が拡散され、誤解される。
発言そのものよりも、「文脈の喪失」が、彼女の心をすり減らしていった。

YouTubeと「自分のペース」で話す自由

いま、彼女はYouTubeで、自分の言葉を“自分の速度”で発するようになった。
制限から解き放たれたことで、ようやく「話すこと」が楽しくなってきたのだという。

作家としての自己定義と「書くこと」への意志

三浦さんは今、自らを「作家」として定義している。

なぜ「書くこと」が一番自由なのか？

本という形で言葉を残せば、それは誰かと対話する手紙になる。
書くことで、自分の思考の軌跡を残すことができる。

“対話としての執筆”と、未来への言葉の軌跡

彼女が再び歩き出したのは、声高に語るためではない。
“考えた証”として、書き続けるためだった。

✅三浦瑠麗さんの選択は、決して特別なものではないかもしれない。
だが、「誰かのものではない時間」を取り戻すことが、どれほど深く人生に作用するのか。
それを彼女は静かに証明している。

「自由とは、名前ではなく境界線だ」

人は誰かの妻であっても、誰かの母であっても、ひとりの人間である。
だが、その当たり前を認めるには、ときに裁判や離婚という“断絶”が必要になるのかもしれない。
自由とは、与えられるものではない。他者との境界線を、自分の手で引き直すことだ。
それができる人だけが、“自分の言葉”を持つことが許される──そう思う。

✅FAQ

Q1：離婚後の三浦瑠麗さんの活動は？
A1：YouTube『るりチャンネル』を開設し、執筆と発信活動を続けている。

Q2：娘との関係はどう変わった？
A2：旅を共にすることで、娘との関係がより密に、自由に変化した。

Q3：姓を変えなかった理由は？
A3：娘の「変えたくない」という意志を尊重したため。

Q4：今の三浦さんにとって自由とは？
A4：「他者との関係性の変化」によって感じられる、自分の言葉で語る力。