エンゼルスの菊池雄星が今季9度目の先発も勝利ならず。3回には自らの失策が絡んで逆転を許し、5回には痛恨のソロ被弾。6回4失点(自責2)で降板した。安定感ある投球内容にもかかわらず、援護の少なさと守備の乱れが勝ち星を遠ざけている。ファンからは「内容は悪くない」との声も。次回登板に期待が集まる。
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今季こそは白星を──そんな思いを胸に臨んだエンゼルスの菊池雄星。しかし、9度目の先発でも初勝利には届かなかった。味方の援護を受けながらも三回の失策と五回の被弾が響き、またしても勝利の女神は微笑まなかった。防御率は安定しているだけに、この「勝てない苦闘」はファンの間でも大きな注目を集めている。
なぜ菊池雄星は初勝利できなかったのか?
三回の失策と連打は何が起きたのか?
今季の課題がまたしても顔を覗かせたのが三回。味方打線がネトの2ランで先制し、波に乗りかけたその直後だった。2死からの連打で一、三塁のピンチを招くと、メリルにタイムリーを浴びて1点を失う。さらに、ボガーツの投ゴロでピンチ脱出と思われた場面。打球処理を試みた菊池が、ジャンプしながらの捕球に失敗。グラブからこぼれたボールを拾い慌てて一塁へ送球するも、これが悪送球に。走者2人の生還を許し、一気に逆転を喫した。
ボガーツへの打球処理と悪送球の詳細
この場面は試合を決定づけたワンプレーだった。2死での投ゴロ、そしてジャンプ処理と体勢の崩れ──ミスの連鎖が失点に直結。菊池のフィールディングはもともと高評価だが、「投手の守備が流れを変える」典型的な場面となった。
今季の投球内容から見える安定感とは?
実は菊池の投球内容自体は決して悪くない。開幕からの9試合で、クオリティースタート(6回以上、自責点3以内)は4度記録しており、約半数の登板で試合を作っている。防御率も3点台を維持しており、先発ローテの中でも一定の安定感を見せている。
クオリティースタート達成率とERA推移
前回登板のブルージェイズ戦では6回1失点と今季最高の内容を見せたが、勝ち星はつかず。今季ここまでのERAは3.83(5/12終了時点)。先発投手としては十分な数字だが、「白星」には結びついていない。
打線の援護は十分だったのか?
菊池が登板した試合で最も議論されるのが「援護運」だ。今季、登板時に味方打線が大量点を取った試合は少ない。この試合もネトの2ランで先制したものの、その後は追い上げる展開となり、援護の波に乗り切れなかった。
先制点と追加点の流れ
三回の先制2ランの後、失策によって流れが変わった。五回には被弾、六回に1点を返すも、試合をひっくり返すには至らなかった。援護点の不安定さも、勝てない要因として挙げられる。
📊菊池雄星今季先発9試合の成績一覧
✏️失策の瞬間、流れが完全に変わった
打者ボガーツのバットから放たれた打球は、投手の菊池の正面を突いた。しかし高くバウンドし、ジャンプして捕ろうとした菊池のグラブにはうまく収まらなかった。慌ててボールを拾い、一塁へ体勢を崩しながら送球したが、これが逸れて悪送球に。まるで落球と送球ミスが一連の流れで起こったような、不運ともいえるプレーだった。
このワンプレーで同点、そして勝ち越しまで許す結果となり、球場の雰囲気は一変。映像でも確認される通り、捕球から送球までの一瞬の判断ミスが試合の流れを変えた。
打球はショートバウンド気味の高跳ね球だった
ジャンプ処理は反応的に正しいが、体勢が崩れていた
送球の逸れが一塁ベースを大きく外れ、カバー遅れも重なった
何が勝利を遠ざけているのか?
被本塁打数と精神的影響は?
今季の菊池は、ピンチでの被弾が続いている。この試合では五回、先頭打者タティスに左中間スタンドへソロ本塁打を浴びた。これが今季7本目の被本塁打。打たれた瞬間、本人も悔しげな表情を浮かべていた。
タティスへのソロ被弾分析
初球のカットボールが甘く入り、狙いすましたようにバットが振り抜かれた。スイングの強さ、打球の伸びともに完璧だったが、逆に言えば「入りの一球」の重要性を改めて痛感させられる一球でもあった。
チームの守備連携と影響
打球処理ミスや悪送球は一つのプレーに見えて、実はチーム全体の守備体制に起因することもある。特にこの試合では、内野の守備シフトの反応も遅れ気味であり、援護の不足と相まって悪循環が生まれていた。
失策が試合を左右する場面
三回の場面では、もし一塁カバーやバックアップが完璧だったなら、少なくとも追加点は防げた可能性がある。菊池の責任に見えがちだが、守備体制そのものも再考すべきだろう。
次回登板への期待と修正点
次回登板でこそ、初勝利が期待されている。内容面は悪くないだけに、フィールド外の要素や味方の援護が噛み合えば、十分にその可能性はある。
監督コメントと投球内容の課題
試合後、監督は「内容は評価している。次こそ勝たせてやりたい」とコメント。修正点としては、立ち上がりの四球とピンチでの一球に対する集中力が挙げられる。
✅ 見出し | 要点 |
---|---|
▶ 被本塁打の傾向 | 今季7本目、入り球に課題あり |
▶ 守備の乱れと援護不足 | チーム全体の課題も影響 |
▶ 次回登板に期待高まる | 内容は安定、勝ちに一歩届かず |
▶ 指揮官も高評価 | 「勝たせてやりたい」発言に注目 |
🔄得点と失点の因果構造|試合全体の流れ
① ネトの2ランで先制
↓
② 三回:連打 → 投ゴロ処理ミス → 逆転許す
↓
③ 五回:ソロ被弾で2点差に
↓
④ 六回:1点返すも、反撃止まり
↓
⑤ 6回4失点で降板 → 初勝利ならず
ファンの視点から見た「菊池雄星のいま」
SNSや実況中継での声
「内容は悪くない」「運がない」「投球は安定してるのに…」。試合後、SNSではこうした投稿が多く見られた。ファンは彼の努力を理解しつつ、歯がゆさも感じている。
期待と失望の交錯
「いつ勝てるのか」という問いは、期待の裏返しだ。実力はあると信じているからこそ、結果がついてこない現状に、惜しむ声と叱咤が混じり合う。
「勝てない投手」と呼ばれる前に
彼の姿には、数字では測れない何かが宿っている。防御率3点台、4つのQS、それでも白星がつかない。そのとき、私たちは“結果”だけで彼を裁いていないか。
失策の一瞬。そこに運、不運、そして野球という不確定なゲームの本質が凝縮されていた。
勝利とは何か。勝ち星とは誰のものなのか。
問いを投げかけたまま、また彼はマウンドに立つだろう。
❓FAQ
Q1. 菊池雄星はなぜ今季も勝てないのでしょうか?
A. 防御率や投球内容は安定しているものの、守備の乱れや援護点の少なさが重なり、勝ち星に結びつかない登板が続いています。
Q2. 今季のQS(クオリティースタート)達成率は?
A. 今季9登板のうち4回がQS(達成率約44%)となっており、一定の安定感を見せています。
Q3. 投手の失策による失点はどう評価される?
A. 失策により自責点はつかないこともありますが、試合の流れに大きく影響し、評価にも間接的な影響を与えます。
Q4. 菊池の次回登板予定は?
A. 正式な日程は未発表ですが、先発ローテーション通りであれば、5〜6日後の登板が予想されます(調査中)。