2025年5月13日、広島市南区の広島大学霞キャンパスで不発弾のような物体が発見された。現場では解体工事が行われており、発見を受けて警察の機動隊と陸上自衛隊が対応。大学は午後からの講義を休講とし、現場付近の道路は封鎖された。戦前の軍施設跡地という土地の記憶が、現代に再び浮上した形だ。私たちはこの出来事をどう受け止めるべきか。
広島大学
不発弾らしき物
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広島市南区の広島大学霞キャンパスで、不発弾のような金属製の物体が発見され、構内が一時騒然となった。発見されたのは解体工事中の敷地内で、通報を受けて警察の機動隊や陸上自衛隊が現場対応に当たっている。学生や病院関係者を巻き込む重大事故には至っていないが、戦前の旧軍施設跡地という土地の歴史が、思わぬ形で再び注目を集めることとなった。
✅ 見出し | 要点 |
---|---|
▶ 発見場所 | 広島市南区の広島大学霞キャンパスで不発弾らしき物体が発見された。 |
▶ 通報状況 | 解体工事中の作業員が発見し、「爆弾のようなもの」として警察に通報した。 |
▶ 物体の概要 | 発見物は長さ約90cm・直径25cmの円筒形で、自衛隊が処理を担当する。 |
▶ 学内影響 | 大学は午後の講義を休講とし、病院は通常通り診療を継続している。 |
なぜ不発弾騒動が起きたのか?
いつ・どこで発見されたのか?
2025年5月13日午前9時30分ごろ、広島市南区の広島大学霞キャンパスで不発弾のような物体が発見され、現場が一時騒然とした。発見したのは構内で解体工事を行っていた作業関係者で、「爆弾のようなものが一つ見つかった」と警察に通報したという。
霞キャンパスは医療系の学部や附属病院が集まる拠点であり、日中は学生や医療従事者を含む多くの人々が行き交う場所。通報を受けて、警察の機動隊が直ちに現場に出動し、安全確認の作業が開始された。
どのような状況だったのか?
現場はもともと建物の解体作業中で、地中を掘削していた際に長さ約90センチ、直径約25センチの金属製の円筒が姿を現したという。警察によれば、その形状や構造から「不発弾の可能性が否定できない」と判断され、慎重に処理が進められている。
発見場所周辺では直ちに交通が規制され、工事現場にも立ち入りが制限された。安全確認の結果を踏まえたうえで、処理作業は陸上自衛隊に引き継がれることが決定された。
何が問題視されたのか?
今回の発見には、戦前の歴史的背景が関係している可能性がある。霞キャンパスの敷地は、かつて旧日本陸軍の兵器補給廠(へいきほきゅうしょう)があった場所。戦後80年を経た今でも、こうした遺構の名残が地中に眠っていることは珍しくない。
特に問題視されたのは、学術・医療機関が密集するエリアでの発見だった点だ。周囲には広島大学病院があり、多くの患者が通院・入院している。また、数千人の学生が日常的にキャンパスに出入りするため、不発弾が爆発の危険を孕んでいた場合、重大な被害を招く恐れもあった。
発見物の形状と処理対応
発見された物体は、先端がやや丸みを帯びた円筒形で、金属が酸化している様子も見られた。表面に文字や記号は確認されていないものの、処理の際に振動や衝撃が加わると危険な可能性があるとの見解も示されている。
警察と自衛隊は「念のための最も慎重な対応」を優先しており、現時点では爆発の兆候は確認されていないものの、緊急避難や一部封鎖などの措置が継続中だ。
現場工事の状況と背景
解体工事は学内施設の老朽化対応の一環で、周辺の再整備も計画されていたという。工事業者は「金属片が地中から出てくることはあるが、今回のような物体は極めて異例」と語っており、周辺では地質調査や過去の設計図との照合も進められている。
要素 | 通常の工事現場 | 今回の不発弾発見時 |
---|---|---|
発見物 | 構造材や配管など | 円筒状の金属体(不発弾らしき物) |
対応機関 | 警備会社・管理者 | 警察機動隊・陸上自衛隊 |
安全確認 | 作業員による目視・報告 | 現場封鎖+専門機関による爆発物対応 |
影響範囲 | 限定的 | 大学全体・周辺道路にも波及 |
所要時間 | 数分~数時間 | 処理完了まで半日~未定 |
工事の背景と学内施設の構成
今回の工事は、老朽化した研究棟の解体と整地を目的としたもので、キャンパスの中心部に近い位置で行われていた。霞キャンパスは、医学部・歯学部・薬学部が集まり、中央には広島大学病院が構える構造で、学生と医療関係者の動線が交差するエリアである。
不発弾が見つかったのは、旧看護学科施設の跡地に近いとみられ、かつての軍施設からの遺物が土中に残っていた可能性が高い。大学は工事の際に事前調査を行っていたものの、今回のようなケースは想定外だったという。
解体エリアはキャンパス北西側
建物は戦後築のコンクリート構造
地中には旧軍用道路や物資庫の痕跡もあるとみられる
広島大学や周辺への影響はあったのか?
講義や交通規制への影響は?
今回の発見により、広島大学は霞キャンパスで予定されていた午後の講義をすべて休講とする対応を取りました。これは、学生や教職員の安全を最優先した判断であり、大学は「現場の状況を踏まえ、慎重な判断が求められる」としています。
一方、キャンパスの外周道路では広島県警による交通規制が実施され、通行が制限されています。特に解体現場付近を通る構内通路と接続する歩道は一時閉鎖されており、周辺住民や医療関係者の動線にも一部影響が出ています。
病院や関係施設はどう対応したか?
同キャンパス内には広島大学病院があり、入院・外来患者への影響が懸念されました。しかし大学病院によると、病院業務は通常通り行われており、診察や入院対応に支障は出ていないといいます。
ただし、来院者向けの案内掲示や院内アナウンスでは「キャンパス内での異常事態について冷静に対応を」と注意喚起が行われ、念のため安全確認を徹底しているとのことです。
大学側の発表と休講措置
広島大学は「爆発物らしき物体の安全確認が完了するまで、不要不急の立ち入りを控えるようお願いする」との声明を出しており、事態が収束するまでは講義再開の見通しは立っていません。
病院・公共インフラの運用状況
病院だけでなく、近隣にある薬学・歯学関連施設も現時点で業務に大きな支障は出ておらず、行政からの避難勧告なども出されていません。
✅ 通報から処理までの流れ
解体現場で異物を発見(午前9:30)
↓作業員が「爆弾のような物体」として警察に通報
↓広島県警の機動隊が現地で封鎖・安全確認
↓不発弾の可能性が高まり、陸上自衛隊が処理対応へ引き継ぎ
↓大学が講義休講・病院は診療継続
↓夕方以降、安全確保に向けた調査継続中
✅ 見出し | 要点(1文) |
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▶ 発見直後の動き | 機動隊が出動し、現場は即時封鎖された。 |
▶ 大学の対応 | 講義を休講にし、構内立ち入りを制限。 |
▶ 病院の対応 | 病院診療は通常通り継続されている。 |
▶ 処理の流れ | 自衛隊が不発弾の処理を引き継ぐ体制。 |
今回の一件が示すのは、「都市空間に眠る記憶」の存在である。私たちは今、戦後から続く土地の履歴と、それがもたらす現代のリスクに直面している。ここで注目すべきは、発見されたのが病院や大学が密集する"生の現場"だった点だ。
今回の件が示す教訓とは?
戦前施設跡地と現代利用の関係
霞キャンパス一帯は、かつて旧陸軍の兵器補給拠点として使用されていた歴史を持つ。戦後、学術・医療の地として再出発したが、地中には当時の遺物が眠ったままだった可能性がある。
今回の件は「都市の再利用と未処理の記憶」が交差した事例とも言える。再開発や解体の過程で、土地の“過去”が現在に浮上してくるリスクは、他の都市にも共通している。
都市の安全管理体制は万全か?
各自治体は再開発前に地中調査を実施しているものの、戦前の記録が不完全な場合も多く、完全なリスク排除は難しい。今回の発見が無事処理されることは何よりだが、「戦後世代が知らない土地の履歴」が、現代の暮らしを脅かすケースは今後もあり得る。
✅ 忘れられた記憶と現代の境界
不発弾はただの金属ではない。それは土地に埋もれた「過去」であり、歴史が物理的に現れる瞬間でもある。霞キャンパスの地下から現れたものは、かつて戦争の道具として置かれ、やがて誰の記憶からも消えた存在だった。
それが今、再び地上に現れ、未来を担う学生の足元を脅かすという皮肉。私たちは土地の記憶とどう向き合うべきか。都市とは、忘れられた過去を重ねていく層でもある。その層が突然破れて現れるとき、私たちはどこに立っているのだろう。
✅ 見出し | 要点(1文) |
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▶ 発見物の性質 | 不発弾とみられる金属製の筒状物体が発見された。 |
▶ 初動対応 | 警察・自衛隊が出動し、現場は封鎖・処理体制へ。 |
▶ 学内対応 | 大学は休講、病院は通常診療を継続。 |
▶ 社会的意義 | 戦前の記憶と都市の現在が交錯する事件となった。 |
❓ FAQ
Q1. 不発弾だったと確定したのか?
A. 現時点では「不発弾の可能性が高い」とされ、処理は自衛隊が進めている。
Q2. 大学内での爆発の危険はあった?
A. 具体的な危険性は公表されていないが、安全優先で現場封鎖と避難措置がとられた。
Q3. 広島大学病院は影響を受けた?
A. 現時点では通常通り診療が行われている。外来や入院患者への影響は出ていない。
Q4. 今後の講義はどうなるのか?
A. 講義の再開は安全確認後。大学からの続報が出る見込み。